■ はじめに:情報があふれる時代に必要な力
私たちは日々、ネット・SNS・テレビ・本など、膨大な情報にさらされています。
その中には、正しい情報もあれば、偏った意見やデマも混ざっています。
そんなとき大切なのが、**「疑う」「確かめる」「自分で考える」**という視点です。
それこそが、**クリティカルシンキング(批判的思考)**と呼ばれる思考法。
この記事では、クリティカルシンキングとは何か、なぜ必要なのか、そして日常でどう活かせるのかをやさしく解説します。
■ クリティカルシンキングとは?
簡単に言えば、「本当にそうなのか?」と疑い、根拠を確かめ、自分で納得できる結論を導き出す考え方です。
- 情報をそのまま受け入れない
- 感情や思い込みに流されない
- 「なぜそう言えるのか?」を考える
- 複数の視点から物事をとらえる
「批判的」と聞くと否定的に思えるかもしれませんが、誰かを攻撃することではありません。
思考を深めるために、冷静に問いを立てる力なのです。
■ ロジカルシンキングとの違いは?
混同されやすいですが、ロジカルシンキング(論理的思考)は「筋道を立てて考える」力。
クリティカルシンキングは、「その筋道や前提が正しいのか?」をチェックする力です。
- ロジカル:どうやって結論にたどりつくか?
- クリティカル:その前提や根拠は妥当か?
つまり、**両方あってはじめて“深くて納得できる思考”**になります。
■ クリティカルシンキングが弱いとどうなる?
- SNSで見た情報をすぐ信じてしまう
- 権威ある人の意見をそのまま受け入れる
- 自分の考えが整理できず、会話で流される
- 購入・投資・判断を感情で決めて後悔する
クリティカルシンキングは、思い込みや操作から自分を守る盾でもあります。
■ クリティカルシンキングを鍛える3つの習慣
① 「本当にそうかな?」と問いを立てる
→ 情報を見たとき、「なぜそう言えるの?」「別の意見はある?」と問い返してみましょう。
② 前提を疑うクセをつける
→ 「当たり前」や「常識」こそ、実は思い込みの塊かも?背景を調べる習慣を。
③ 対立する視点を探してみる
→ あえて逆の立場から考えることで、盲点やバランスの取れた視野が得られます。
■ 日常生活での活用例
- ニュースを見て、「これ、どこ情報?裏付けある?」と考える
- 会議や学校の意見交換で、「他の可能性は?」と質問する
- 子どもと話すとき、「なんでそう思ったの?」と問いかけてあげる
特に子どもには「自分で考える力」を育てる上で、クリティカルシンキングはとても有効です。
■ まとめ:「自分で考える」ことが、自分を守る
クリティカルシンキングは、すべてを疑うためではありません。
「思考停止しないために、自分の頭で考える」力です。
信じる前に、一度立ち止まって考える。
その習慣が、情報に流されず、納得できる判断や行動を後押ししてくれます。
まずは「本当にそうかな?」と心の中でつぶやいてみることから始めてみましょう。
📚参考書籍・資料
- 堀公俊『図解 クリティカルシンキング』
- リチャード・ポール&リンダ・エルダー『クリティカルシンキング入門』
- 内田樹『寝ながら学べる構造主義』
- News Diet(情報の精査力を鍛える書籍)
🤔読者への問いかけ
- 最近「なんとなく」信じてしまった情報、ありませんか?
- それって、本当に正しいと言えるでしょうか?
- あなたが当たり前だと思っていること、誰かは違う考えかもしれません。
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